2021.12.17
中国の文具業界動向
本記事では中国の文具業界の動向をお届けいたします。
中国の文具市場の規模や人気のブランド、消費者が利用するメインチャネルや利用する動機などを調査・レポートしております。中国の文具事情について興味のある方必見の内容となっておりますので是非ご覧ください。
目次
中国の文具業界の市場規模
中国制笔协会(China Writing Instrument Association)が発表した「中国文房具業界競争状況分析(中国文具行业竞争态势分析)」のデータによると、中国文具業界(事務用品・家具を除く)の市場規模は約1,500億人民元(日本円で約2兆5,000億円)にのぼります。一人当たりの年間文具消費額で見ると、世界平均よりも2,400円下回っていますが、市場規模は拡大しており、文具市場には成長の余地があると言えます。
中国の文具ブランド
現在、中国の文具業界には、分野や市場を寡占するメーカーは存在しません。2019年時点では中国の文具メーカーは合計約8,000社存在し、その内売上高が1,000万元(約1億7,000万円)以上の文具メーカーは全体の10%、10億元(約178億円)以上の文具メーカーはわずか4社(晨光文具、齐心グループ、广博股份、真彩文具)となっています。次項では有名な文具メーカーをそれぞれご紹介します。
筆記具・学生用文具分野でリードをしているメーカー
・晨光
晨光は有名な総合文具メーカーです。主に筆記具、学生用文具、オフィス用文具、その他の関連製品の4つの分野をカバーしています。上記で取り上げた売上高10億元の文具メーカーの内の一社です。
・真彩
真彩は中性ペンやリフィルの研究開発と製造力を牽引する中国最大級の文具ブランドです。特に真彩の”画材シリーズ”は、国内文具市場におけるリーダー的な存在となっています。上記で取り上げた売上高10億元の文具メーカーの内の一社です。
事務用品・文具分野でリードをしているメーカー
・齐心
齐心は幅広い文具のラインナップと優れた品質で有名な総合文具メーカ―です。主な製品は、文書保存用品、事務用品、紙製品、筆記具、包装用品、学生用品などです。上記で取り上げた売上高10億元の文具メーカーの内の一社です。
・得力
得力は日常の事務に必要なほぼすべての事務用品をカバーしているメーカーです。製品の種類は非常に豊富で、価格帯はリーズナブルなのに品質も良いと消費者達から信頼されています。
メモ帳分野でリードをしているメーカー
・广博
事務文具、プラスチック製品、印刷出版用品、環境保護シリーズ製品を中心に、創造的・低炭素など、多様な事務用品と文化産業を精力的に発展させる中国最大の総合文房具メーカ―です。最も競争力のある文具メーカーの一つとなります。上記で取り上げた売上高10億元の文具メーカーの内の一社です。
中国から見る”日本の文具”のイメージ・人気商品
日本の文具は中国でも評価されています。人気の理由は主に①行き届いた品質管理により不良品が少なく、どの商品を買っても満足できる品質の良さ②造りが細かく機能性がある③デザイン性の高さなどです。一方で、中国の商品と比較した際単価が高いという不満点もあります。コロナ以前ではお土産として良く買われており、インバウンドでも実績があります。人気の日本の文具は、ペンシルポーチ、多機能ペン、ゲルインキボールペン、針無しステープラーなどです。
中国の文具の主な販売チャネル
中国における文具の主要な販売チャネルはオフラインです。Euromonitorのデータによると、2018年中国の文具業界におけるゴム・プラスチック製製品のオフラインの売上は、約86%、オンライン売上は約14%でした。多くの消費者が実店舗での購入であることが分かります。オフライン販売チャネルは主に、雑貨小売店・文具、事務用品専門店・百貨店などが挙げられます。
今後オンラインチャネルの台頭はあるか?
産業発展研究院(前瞻产业研究院)によると、今後数年間はオフラインチャネルが主要の販売チャネルであり続けると述べられています。現在もECショップを含むホームショッピングによる購入ユーザーは存在しますが、依然としてオフラインによる購入が多いです。
何故オフラインチャネルをメインに利用するのか
何故多くの中国人消費者がオフラインを利用するのか聞き取り調査を行ったところ、以下の様な意見がありました。
「オンライン購入では一届くまでに大体2~3日程度かかる。文具は使用頻度が高いためすぐに欲しい場合が多い。」
「文具の実物を見て購入したいから実店舗へ行く。オンラインで購入した場合、購入した文具が気に入らなかった時面倒な返品をしなければならないのが嫌だ。」
「自分に合うかどうか、色が好みかどうかなど、試してから買いたい。」
また、文具を頻繁に使用する学生達は未成年の為、オンラインショッピングがあまり出来ないなどの理由もあるそうです。中国は日本と比較しEC利用者が多く存在しますが、文具の購入ではオフラインでの購入に大きい利便性があるようです。
まとめ
本記事では中国の文具業界の動向をお伝えしました。多くの国内ブランドが存在するものの、どのブランドも分野や市場を寡占するには至っていません。中国には無い魅力を持つ日本の文具は現在の中国でも高い評価を獲得しており、可能性を持っていると言えるでしょう。海外ブランドも加わりながらどのように市場が変化していくのか、引き続き注目していきます。
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