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2020.04.28

新型コロナウィルス感染症が収束しつつある中国経済の今

中国経済は、新型コロナウイルス感染症の打撃を受けて、2020年第1四半期(1-3月)の国内総生産(GDP)は、20兆6504億元(313兆8860億円 ※1元は約15.2円)となり、前年同期比で6.8%減少した。ただあれほどの大打撃を受けて、この数字に留めたことは凄いことだ。

何故このような対応ができたのか。それは中央政府が、以前より積極的に投資していたインフラ整備が功を奏したことが一因にある。

 

中国企業の対応と変化

今回のコロナウィルス感染症の影響で、多くの企業や店舗が大打撃を受けたが、仕事のやり方にも変化をもたらした。
中国企業は日本同様、テレワークが主流になり、オンラインビジネスやクラウドサービスが大きく注目されるようになった。そのため、これらを扱う企業はこの時期に大きく業績を伸ばしている。
またこれらのビジネス環境を、中央政府がバックアップしていることも大きい。5G、人工知能(AI)、産業のインターネット、モノのインターネット(IoT)等の、
「新インフラ整備」に中央政府が巨額の投資を行っているのだ。

その影響で生活の中でも、ECが発展して、電子決済が主流となり、中国企業でも、積極的に人工知能(AI)やビッグデータを活用するようになっている。工場の中には、すでに24時間操業で、人の監視を必要としない完全自動化の工場も多く存在する。

 

このように中央政府主導で導入していたインフラ整備が、今回のコロナウィルス感染症の状況下でも、企業側がテレワーク等の対応を迅速にできたため、大きなマイナスを出さなかった一因にもなっている。

飲食業界、小売業界等の新たな方向性

飲食業界や小売業界等の店舗についても日本同様、中国でも厳しい状況が続いている。

ただ、その逆境に屈することなく、オンライン販売を始めたり、動画共有アプリを活用して宣伝したり、宅配サービスを始めたりと、今回を機に積極的に新たな営業展開を見せている。

その中で注目されているのが、コミュニティECの導入。同じ業界同士での材料の購入や配達支援、店舗同士の宣伝など、今までならライバル同士で、切磋琢磨してきた関係が、このような緊急事態の中で積極的に情報共有をして互いに助け合っている。また今までなら店舗宣伝での活用が多かったSNSもお客様と積極的に交流するようになり、店舗の常連客はオンライン販売や宅配サービスになっても利用してくれている。
このように店舗側がすぐに対応策が取れたのもECが発展し、電子決済が主流となり、SNSが浸透している結果である。

これからの中国ECの可能性

今回の感染症の影響で、ECに新たな需要やユーザーが生まれ、これまで以上に主流になっている。大手ECモールの売上は軒並み上がっており、その勢いは、収束しつつある現在でも変わっていない。
これからの中国経済の成長は、今まで以上にECの成長と連動していくだろう。中国にある国内外の企業は、その流れをしっかりと掴めているかがカギとなる。

 

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